お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか?

ドラマや小説などフィクションの中では見聞きすることのある上記の台詞。
まさかこれを現実で聞くことになるとは思わなかった。

学校帰りのこと、いつものようにJRに乗って帰宅したのだが、
地元の駅に着いたので降りようとしたところ、出口付近で人の倒れる
ような音がした。近くにいた運転手が近付き、「お客様?」と何度か
声をかけるが、どうやら反応が無いらしい。やがて運転手が立ち上がると
車内に向かって「お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか?」

……沈黙。そうそう都合よく医者は乗り合わせていなかったようだ。

幸いそのお客はじきに意識を取り戻し、列車を降りた。
「気を失っていただけ」とのことだが、果たしてその後も大丈夫
だったのだろうか。直後はさすがに顔色が良くなく、さりとて
通りすがりの赤の他人に何が出来るというわけでもないのだが……。